四季折々に違った美しさを見せる大自然。丹生川をすっぽりとつつみこむこの手つかずの自然は、生活の場となるだけでなく、自然と親しむことを目的とした多くの観光客の心をひきつけてきました。
昭和48年に開通した乗鞍スカイラインは、日本一高い所を走る自動車有料道路として注目を集め、貴重な高山動植物が生息する雲上の別天地として多くの人々が訪れています。
その一方で、心無い観光客による高山植物の違法採取や踏み荒らしが後を絶たないため、昭和52年に「乗鞍の自然を守る会」「乗鞍美化の会」を結成し、ゴミ拾いや植物保護に努めてきました。平成4年にはライチョウやニホンカモシカ、高山植物の群生地に対する保全や保護が急がれる中、任意団体による自然観察教室や、丹生川森林組合のグリーンパイロットなど、地域ぐるみの取り組みが成果を上げてきました。
そして平成15年には、乗鞍岳の貴重な自然を守り、訪れる皆様に豊かで快適な乗鞍岳の自然環境を提供するため、マイカー規制が実施されました。乗鞍スカイライン、乗鞍エコーラインへ自家用車での入山は禁止し、バス、タクシーのみの乗り入れとしました。
現在の私たちに残された、日本でも有数の自然の宝庫、乗鞍岳。この大切な自然を観光資源として利用するだけでなく、守り育て後世に伝えていくことが、私たちの使命です。